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3.お別れの時・・・

3.お別れの時・・・

体育参観の日、Mさんの姿を探しましたがいませんでした。

やっぱり歩くイベントで少し無理をしたのかな?と不安になりました。

しかしその夜、Mさんからメールが来ました。

「めまいがして、少し入院することになったの。でもすぐに退院できるって聞いて安心してる」
と書いてありました。

入院!?なんで???

その後すぐ、私が送った返信がいつまでも「既読」にならない・・・

嫌な予感がしました。

そんな時、共通の友人からメッセージが届いたのです。

「もしかしてもう知っているかもしれないけど・・・。Mさん、ガンで闘病しているの。去年の入院でも一時期は危険な状態だったらしいの。今回とうとう脳にガンが転移して、もういつどうなってもおかしくない状態なの。私は明日お見舞いに行きます。」

え!!!!脳に転移?そんな深刻な状況だったなんて!

これは一刻の猶予もない!
連絡をもらった翌日に彼女と一緒にお見舞いに行きました。

病室には・・・つい最近まで元気に歩いていたMさんが、ベッドで横たわっていました。

その時はたまたまMさんは起きていて、ダンナさんにアイスクリームを食べさせてもらっていました。
しかし、水はストローでもほんの少しだけ飲むのがやっと・・・。

もうMさんは立つことも、話すこともできませんでした。

でも、たまたまその時は意識があり、私たちの話は聞こえるようでした。

旦那さんがMさんの病気のいきさつや思い出話をしている間、Mさんの表情は変わり、微笑んだり悲しそうな顔をしていたのです。

病室で30分ほど過ごし、私たちは帰ることにしました。

帰り際Mさんの手を握ったのですが、彼女の手は温かく、意外なほど力強く握りかえしてくれました。

話せず動けなくても、彼女は生きているんだ、と思いました。

 

でも彼女の命が尽きかけているのは、わかりすぎるほど明白でした。

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