昨日発表された第91回アカデミー賞で、「ボヘミアン・ラプソディ」が主演男優賞、音響編集賞、録音賞、編集賞を受賞しました。
日本でも世界でも大ヒット、何回も見に行った人も多いと聞くので、納得ですよね。
実は先日、私もかなり遅ればせながらも映画館でこの映画を見てきました。
前から見たいとは思っていたけど、なかなかきっかけがなかったんですが、ちょっと最近色々とモヤモヤするようなことがあり、その気持ちを変えたいと一人で見にいったのです。
無名のバンドが、世界的にも有名なバンドになる軌跡。
わかってはいたけど、それはやっぱり奇跡であり、見ていて楽しいです。
そしてスーパースターが抱える孤独・・・
映画について、私自身が感じたことを書きます。
(ここから内容に触れるので、わかってしまうのが嫌な方は読まないようお願いします)。
女性目線で見た、フレディが「ゲイ」になったことについて
最初は普通の恋人同士だった、最高の関係のはずだったフレディとメアリーの関係。
なのに、フレディは自分がゲイだということを、自分にも人にも嘘をつけなくなってくる。
「自分はバイセクシャルだ」と告げられるメアリー。
「いいえ、あなたはゲイよ。」
フレディもメアリーも、ともに理想的な家庭を築ける関係でありそうなのに、それが叶わない。
メアリーの
「私はこんなことばかり。今度はあなたまで・・・」
という心情の吐露はなんだか身につまされました。
しかし、映画中でも言っていたけど、そのことで恨めない。
だってしょうがないから。
フレディだってメアリーを傷つけたくない。だけど、自分に嘘はつけない。
・・・で、こういうシーンて前もあったな、と思ったら「おっさんずラブ」でした。
黒澤の妻、蝶子が夫から別れを切り出された時に(女性との)浮気を疑っていたけど、好きな相手はまさかの男性(はるたん)!
そして蝶子は、その後黒澤を励まし見守るんですが、フレディとメアリーも恋人としては別れながらも、フレディが亡くなる時まで二人の友情は続いたそうです。
「おっさんずラブ」を見たときは、恋人の好きな相手が女性と男性どちらがより嫌か?
と考えたことあったんですが、もしかして「ゲイだったらしょうがない」と友情を続けらたのかな、と今回思いました。
だって、それこそしょうがないじゃないですか・・・。
まあ、相当ショックだとは思いますけどね。
メアリーは違う男性との間に子供も2人産んでいますが、もしかして今の時代なら人工授精でもフレディとの子供を作っていたのかも、と思ったりしました。
でね、ゲイがダメとか言うわけではなく、女性が出産して子育てして、でもその子供(男性)がパートナーとして男性を選ぶのであったら「じゃあ女性って何?」と思うじゃないですか。
よくアーティストなんかではゲイの人多いですよね。
なんで?って。
女性は利己的で目の前のことしか興味がなく生物的だと思うんだろうか?
とはいえ性的な嗜好は頭で考えるわけではないんでしょうが・・・。
男性が男性ばかり選んでいったら悲しいなぁ。
(ちなみにオーストラリアでは、かっこいい男性はほぼゲイと聞いたことあります。)
しかし今までは男と女が結婚して家庭を持つ、という考えが根強かったですが、これからは「好き」と「性の対象」と「生殖」はそれぞれ分離していくのかもしれませんよね。
ちなみにフレディはメアリーにカミングアウトしてからはずっと、恋人は男性になったようですが、一番大事な存在としてはメアリーだったらしく、遺産の大部分もメアリーに残しています。
しかし、フレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックと、メアリー役のルーシーボーイントンは、この共演を機に恋人同士になったようです。
なぜ日本でこんなにヒットしたのか
私はあまりクイーンというバンドの存在をよく知りませんでした。
でも今でもCMなどで流れているんですよね。
だから映画を見ても知っている曲がたくさん流れてきました。
あの熱い曲、そして超個性的なパフォーマンスに、なんでこんなに日本人の心が揺さぶられたのか。
(世界でももちろんヒットしていますが、「大人しい」国民性の日本で)
フレディは移民でゲイ。
親の願う「こうあるべき姿」になれず悩みましたが、自分の中の声に従ってまっすぐに生きぬきました。
フレディのようにドラマチックではないにしても、真面目で、自己主張をあまりしないとされている日本人の心にも、やっぱりフレディのような熱い気持ちがあるからだと思うんです。
学生も会社員も主婦もお年寄りも・・・やっぱりそれぞれが色々なしがらみの中にいますよね。
そこを、自分が思うように突き進むには、周囲に迷惑をかけたり大切な人を傷つけるかもしれない。
色々なことに悩んだりがんじがらめになりながらも、曲を聴いて、フレディの生き様を見て、それぞれに「自分の生きる意味やエネルギー」を感じたのではと思います。
で、私のように平凡で3人の子持ちの主婦の心も、激しく揺さぶられました。
気がついたら涙が流れていました。
女性だとか日本人とか母であるとか・・・
そういうことは全く関係なく、「自分が自分でありたい」と思いました。
しかし、エイズによってフレディが亡くなったのが45歳!
濃い人生とはいえ短すぎる!
・・・そう考えると、私の今からは「余生」かな。
限られた人生の時間、自分が思うことを、できるうちにやっていこうと思います。
強烈な光を放ちながら、流れ星のように生涯を終えたスター。
でも今でも彼の作った曲が、色々な人の心に届いていますよね。
ちなみに水彩を描く過程を載せようと思っていたのに、途中を残すのを忘れていてこれしかありませんでした。↓