車の中では音楽をいつもかけています。
踏切りで待っていた時、「なんでもないや」という曲が流れ、あらためていい曲だなと思ったのです。
この曲は映画「君の名は。」のためにRADWIMPSのボーカル野田洋次郎さんが作詞作曲したものですが
実は映画は、タイミングを逃して見ていません・・・!
よく流れているのは「前前前世」ですが(PVはテレビでも相当数流れていましたよね)私は「なんでもないや」が残るんです。
映画が公開されてもう1年近く。世間的には今更!?ですよね。
でもこういう歌詞を書く人はどういう人なのか?
と俄然興味が出て、2年前に野田洋次郎さんが出版した「ラリルレ論」を読んでみました。
2014年2月から7月までの野田さんの日記形式で書かれたその中には、私のイメージしていた、今ノリにノっているロックバンドのボーカルで作詞作曲している華やかで過激な(失礼)イメージとはかけ離れた人物がいました。
人にも自分にも、こんなに誠実な人はそうそういないのでは。
毎日毎日、色々な違和感だったり、理不尽だったり、悲惨な出来事は日々見聞きしますが・・・
でも自分に関係ないことは受け流し、何だかおかしいと思っても諦めて、目の前のノルマだけを果たして過ごしていく。
だって、いちいちそういう出来事に反応して考えたり対処していたら、疲れるし、磨耗していく。
1日はたった24時間しかないし、絶対自分がやらなきゃいけないこと以外の、自分でどうにもできない周囲のことは置いといて、自分の好きなことだけ考えたい。もしくは何も考えずに笑っていたい。
でもこの人は世界政治から、日常の些細なことまで、すべておかしいものはおかしい、好きなものは好き、と。
自分の物差しをはっきり持っている人なんだな・・。
そして自分の中の感情を無視せず、意識して言語化する。
しかもデリケートで優しい。
それじゃこの世の中、生きていくだけで大変だよね。
そしてライブにかける情熱。プロ意識。
すごい!
そんなに1回1回を大事にしていたなんて。
野田さんのハードな家庭環境、子ども時代を知ると、また歌詞が深い意味を持つ気がしました。
そして過去の曲も色々聴いてみました。(「五月の蝿」は衝撃的な歌詞!)
子どもと一緒の車内で聴くという感じではない曲多数です。笑
私は「君の名は。」の主題歌で超遅まきながらRADWIMPSを知ったのですが、むしろこの映画の曲は彼らの楽曲の中ではちょっと異色なんですね。
過激な歌詞やハードな曲調の数々を知ると、なおさら「ラリルレ論」の中の本人像が意外になりました。
ですが、本当に繊細な部分と、激しく情熱的な部分と両方を併せ持っているから、これだけ多くの曲をかけるのでしょうね。
野田さんは映画「トイレのピエタ」の主演をしたり俳優活動もされているようで、
今は深夜ドラマ「100万円の女たち」に出ています。
アルバム「人間開花」に収録されている「棒人間」という曲は、綾野剛さん主演の日曜ドラマ「フランケンシュタインの恋」の主題歌にもなっています。
ドラマ見ていますが、この歌詞もまた・・・刺さりますね。
「君の名は。」は海外でもヒットとなっているようで、多方面でひっぱりだこでしょう。
そういえば「前前前世」の英語バージョンのタイトルが「Zenzenzense」と知り「!!!」でした。
昔からのファンの方にとっては、何を今更!知ったようなことを・・・と思われるかもしれませんが、
一つの曲から、私のように特に流行に敏感でもない主婦にも影響を及ばした野田洋次郎さん、
人間で言えば毛細血管まで影響が及んだ結果だと思ってください。
今後も多方面で活躍されるでしょう。
また本が出たら、今度はオンタイムで読みたいです!