この投稿は、2020年3月28日に「新型コロナ感染に対してBCG接種は有効なのか」というニュースを読んで、以前の投稿に加筆・追記したものです。
子供の定期の予防接種、その時決まっているものは全て受けさせています。
でも、見るたびにハッとするのが・・・
次女のBCGの痕(あと)です。
もう接種してから14年ですが、薄くなるどころか成長とともに引き伸ばされて大きくなってます!
予防接種の中でどうしてBCGだけこの形なのか、結核の予防にどれくらい有効なのかを改めて調べてみました。
BCGとは
BCGはBacillus(細菌、病原菌) Calmette(カルメット)Guerin(ゲラン)の略です。
フランスのカルメットとゲランが開発した、結核菌を牛で培養し、弱毒化した結核予防のための生菌ワクチン。
結核は少し前までは日本では「亡国病」と言われるほど多い、深刻な病気でした。
その時と比べ減ってきたとはいえ、いまだに罹患する人も多いのです。
(人口10万人あたりの患者数、約14人の「中まん延国」)
現在日本での接種は、ワクチンを肌表面に塗り、9本の針を上から2箇所押して、ワクチンを体内に入れる方法がとられています。
BCG接種を受けたら結核にかからないのか?
BCG接種は小児の結核性髄膜炎や粟粒結核の発病防止や重症化防止に有効とされています(予防接種することで発症を4分の1ほどに抑えられるとのこと)が、肺結核に対する発病予防効果は50%ほど。
そして予防効果は10〜15年くらいということです。
つまり、BCGを受けていたら大丈夫というわけではなく、体が弱っていたりすると結核になる可能性はあります。
<参照元>
結核とは(国立感染症研究所)
三人の子供の接種跡
生後3〜6ヶ月の間に接種させることが推奨されていて、三人とも生後3〜4ヶ月の時に受けました。
(現在では定期予防接種は1歳まで。推奨期間は生後5〜8ヶ月の間)
痕にならないといいな・・・
と思ったものの、集団接種の会場では流れ作業のように上腕にされます。
その後赤く腫れましたが、特に化膿するということもなかったと思います。
ちなみに真っ赤に腫れて膿んでくると(コッホ現象)、接種の前に結核菌に感染していたという指標になるそうです。
<長女>
15歳の写真です。
大きくはなっていますが、色自体はそこまでは目立ちません。
<次女>
13歳の時の写真です。
この時は7cmちょっとでしたが、それから1年たってさらに大きくなっています(トップ画像)。
<長男>
7歳の時の写真です。
かなり腕の上の方に接種されているので、9歳の今7.5cmくらいの大きさになりましたが、ティーシャツでも袖で隠れそうです。
次女が特に跡がはっきりしていて、半袖などではかなり目立ちます。
兄弟姉妹でも体質が違い、次女は傷が治りにくい体質なのでしょう。
違う場所に打てないのか?
ネットなどで調べると「跡になるのが嫌だから、ほかの場所に接種できないか」という人が、けっこういるんですね。
実は接種場所は「上腕の外側中央に接種すること」と厚生省公衆衛生局長通知で決まっているそうです。
たとえば肩などはケロイドになりやすいらしい・・。
実はBCGは、以前は皮下注射だったのですが、その時にケロイド状に傷が残る人が増えたので、今のハンコ型に変わったらしいのです。
傷が残りにくく(次女はがっちり残っていますが・・・)、医者も失敗なく素早く接種できる場所ということで、あの位置に決まったのでしょうね。
・・・が、足の裏に接種させた、という人もいるようです。
その場合はもちろん自費で、もし何かあったときの保証は受けられません。
(たとえば副反応その他で、国を訴えたりすることはできない)
しかもそういう対応をしてもらえるかは、お医者さん次第なんでしょう。
それからBCGを接種する際、子供の体質がケロイド体質の場合はお医者さんと相談してください、ということらしいのですが、生後8ヶ月くらいまでの間に打つんですから、そういう体質かどうかはなかなかわからないですよね・・・。
また、先天性免疫不全症の赤ちゃんは、生ワクチンを接種すると危険だそうです。
免疫不全患者に対して禁忌とされるワクチンの種類とステロイドがワクチン接種に与える影響
ところで長男は腕の上の方なので、今のところ半袖だと見えないんですよ。
赤ちゃんの腕は小さいので、数センチの差でだいぶ変わってきますよね。
でも、やっぱり接種した時よりはずいぶん広がっています。
じゃあどうしたら目立たなくなるのか?
「BCGの跡をなくす方法」も調べたのですが、だいたい「成長するにつれ、薄くなります」や「消えますよ」という意見ばかり。
結局気になるなら、レーザー治療や手術したら?という情報しかありませんでした。
試しにこの薬を塗ってみることにしましたが、かなりの凸凹なので、やはりきれいにはならないでしょうね。
BCG予防接種はなくなる?でも「新型コロナウィルスに効果あるかも」という報告が・・・。
実は今、新しいBCGのワクチンが開発されている最中らしいのですが、実用化されるのはまだまだ先のようです。
しかしそれ以前に、結核の患者数が少なくなってきた欧米諸国などは、BCG予防接種を行っていないところが多いです。
アメリカに日本人が渡航した場合、予防接種の結果の結核陽性反応が現れると結核菌の保菌者と見なされ、服薬やレントゲンなどの義務が課せられるそうなので、注意しておいた方がいいかもしれません。
また、このハンコ注射は他の国ではメジャーではないので、虐待や傷という認識をされるのはかなり有名な話。
実はinstagramにこの写真をアップしたら、海外の人から驚かれました。
香港で子供にBCG接種した友人は、あのハンコ注射型ではないので、跡はほとんど目立たないと言っていましたね。
でも日本でも、効果の有効性やリスクなどを考えた上で、BCG接種の中止が検討されているようです。
日本の中でも結核の危険性があまりない地域だと、もともと10〜15年しか予防接種の効果がないそうなので、一生残るかもしれないBCGの接種を全員に接種するというのは、確かに検討の余地はあるかもしれません。
しかし、世界中が新型コロナウィルス感染の脅威にさらされている今、「BCGの予防接種が効果あるかも」というニュースがありました!
今のところ、感染から重症化する割合とBCG予防接種の種類・接種率に相関があるように見えるとか・・・。
これはまだ研究が始まったばかりなので、真偽についてはわかりません。
続報を待ちたいと思います。
ただ、もし本当だったら、BCG予防接種はかなり見直されますね。
でもできればあの形ではなく、もっと痕の残りにくいものだと良いなと思います。
もちろん健康が一番大事だし、日々医療のありがたさを感じているんですが・・・
成長とともにここまで広がり、痕になって残り続けてしまうのは悲しいです。
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