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ドラマ「偽装不倫」からあらためて「銀河鉄道の夜」について考えた

ドラマ「偽装不倫」からあらためて「銀河鉄道の夜」について考えた

東村アキコさん原作のドラマ「偽装不倫」の最終回が終わりました。

原作の漫画を途中まで読んでいたのですが、「銀河鉄道の夜」がキーになっていることもあって、気になってドラマを見続けました。

「銀河鉄道の夜」のイメージ(1枚目)

「偽装不倫」感想

ドラマを見ていなかった人に、簡単にあらすじを説明しますと・・・

婚活にも疲れた主人公の濱鐘子(杏)は、福岡(漫画では韓国)に行く飛行機の中で伴野丈(宮沢氷魚)に出会います。

鐘子の名前が宮沢賢治原作の「銀河鉄道の夜」に出てくるカンパネルラ、伴野丈がジョバンニを表しているということで、お互い運命を感じることに。

でも自分に自信がない鐘子は、「自分は結婚している」という嘘をつき続けます。

そして宮沢賢治そっくりの名前の吉沢賢治という夫(谷原章介)がいる、鐘子の姉の葉子(仲間由紀恵)は夫がいる身にも関わらず、独身のふりでボクサーの風太(瀬戸利樹)にいれあげていくという・・・

途中、夫がいると嘘をつき続けている鐘子の行動にはかなり「?」な部分もあり、丈の行動もイマイチ納得いかない感じはありました。

どちらかというと、妻と子作りをめぐってモラハラ発言をする吉沢賢治の、感情を押し殺したような怖さがドラマの要になっていたかも。

でも・・・

(ここから下はネタバレになるので、読みたくない人は目次から違う章へ行ってくださいね。)

サイコチックだった吉沢賢治は結局は良い人・・・というか、彼の落ち度って客観的に見るとそんなないよね?

ひとえに、妻側の愛がなかったんじゃないかってだけの気がしますが。

姉の葉子は風太と一緒に暮らすために出て行っちゃうし・・・二世帯住宅どうするんだよ〜!

最後の最後に素直になった鐘子と丈もハッピーエンド。

だってそもそも、そんなに障害ないよね?

こうなったら、この二人に二世帯住宅住んでもらうしかない。

でも、結局「銀河鉄道の夜」をキーにしたということが、お互い惹かれ合うきっかけ以上の理由ではなかった・・・。

ちょっと肩透かしを食らいました。

「銀河鉄道の夜」のイメージ(2枚目)

あらためて考えた「銀河鉄道の夜」

教科書などでも「銀河鉄道の夜」を読んだことがある人は多いと思います。

実は「死」への旅立ちをしていたカムパネルラと、その友人である主人公ジョバンニの、不思議な宇宙の旅の話。

私は宮沢賢治の童話が好きだったので、「 銀河鉄道の夜」を何度か読みました。

小学生の頃、アニメ「銀河鉄道の夜」の映画を見に行きましたが、なんとなく曖昧なままの結末で、ディズニーなどの起承転結のある映画とは全く違いました。

今では、死んでしまって会えなくなってしまった人たちへ、残された人間の思慕と、死後の世界の想像、そして「本当の幸せ=生きる意味」は何なのかを問う話なのかなと思っています。

そして以前ブログで紹介したことがあるんですが、宮沢賢治の物語に出てくる元素・鉱物を解説した「宮沢賢治の元素図鑑」を読むと、物語の世界があらためて立体的に、具体的に浮かんできました。

 

たとえば、銀河鉄道の夜に出てくる「蠍の火」の表現を、

ルビーよりも赤くすきとおりリチウムよりもうつくしく酔ったようになってその火は燃えているのでした

と書いてあるのですが、この本では、実際にリチウムの炎色反応の写真が載せてあります。

確かになんとも言えない、赤なんです。

宮沢賢治が科学者・研究者であり、花巻農学校の先生だったことはもちろん知っていましたが、本に出てくる鉱物をあらためて見ると、今まで自分が想像していた世界よりも実際はもっともっと広大なスケールだったんだ!とあらためてわかりました。

さて、科学を文学の表現に取り入れるという、考えてみれば水と油を混ぜるような取り組みをした賢治ですが、科学の部分から「死」をどう考えていたのかな・・・。

人間も元をただせば元素の集合体。

「死」で人間はバラバラの元素になって、違う形となってこの世に存在しているんだろうか・・・

でも、元素で表せない「心」はどうなったんだろうか?

そんなことを思ったのではないのかな。

そしてやっぱり「心」はどこへいったかわからないけど、文字で残された宮沢賢治の世界は、その存在がいなくなっても延々と命ある者に響いていると思うと、すごいことです。

「偽装不倫」主題歌を歌っている本格派女性アーティストは

さて、またドラマ「偽装不倫」に戻りますが、主題歌「us」を歌っているのはmilet(ミレイ)さんです。

 

今日「スッキリ」で出演して歌っていました。

 

なんと本格的に音楽活動を始めたのは2018年からということですが、偽装不倫主題歌の「us」の前にも、「スキャンダル専門弁護士」や「JOKER×FACE」のドラマのテーマソングに起用されています。

 

 

「us」は中ではかなりポップですが、海外の本格派アーティストを思わせる、すごいシンガーソングライターです。

そしたら、思春期にカナダに留学していたとか?納得・・・!

最近ほんとに、若くても音楽性の高さや完成度の高いアーティストが多いと実感します(いや、ど素人の私が言うのもおこがましいんですが・・・)。

私が若い頃聴いていた音楽が2D(平面)だとすると、今は3D(立体的)になっているか、それ以上?

そのうち4Dレベルになるのかな。

カラオケで歌えない曲が多すぎる。笑

ちなみに、なんと私が今年行ったサマーソニック(8月18日)のソニックステージのオープニングアーティストとして出演していたのです!

間に合わなかったよ・・・(そして今頃気づく)

さて、ドラマ自体からは脱線しましたが、今度あらためて「偽装不倫」の漫画を読みたいなと思っています。

ドラマも次々と終わってしまって、寂しいなぁ。

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