今日、長女が中学校を卒業しました。
小学校での卒業式では雪が降り、中学校の入学式は土砂降りでしたが、今日は暖かい日でホッとしました。
ついこの間中学校に入学した気がするのに・・・やっぱり3年間は早いです。
でも、長女が入学してから親も「え!?」と思うようなことの連続でした。
驚きと「こんなことが教育なの?」という思いで描いた「中学生は大変だ!」投稿も気がつけばかなり増えていました。
そんな投稿のまとめと、中学校を卒業した長女・生徒たちに思ったことを最後に書きました。
1、学校に持っていく荷物が重すぎる!
当時35キロしかなかった長女、しかし毎日10キロもの荷物を持って通学しないといけませんでした。
「今日使わないものは置いてきたら?」と言っても「風紀委員がチェックしている」といって置いてこられなかったんです。
文科省が置き勉を認めるようにとの通達があって、今は以前ほど厳しくはないんですが、長女は猫背で歩く癖がついてしまいました。
2、昼食時間が15分しかない
これについては何度か書いていますが、昼食時間が15分、そして体育の後なんかだと着替えもあって、それ以下の時間しかとれません。
一応その後に昼休みも少しあるようなのですが、次の授業の準備や、周囲も慌ただしくなるようでゆっくり食べるわけにはいきません。
給食を注文している生徒はその15分の間に、3階や4階から給食を取りに行って食べて食器を返却するという・・・
刑務所よりもひどいんじゃないかと思いました。
3、給食がまずい
一時期、ある中学校が「まずくてほとんどの生徒が給食を残している」とニュースで連日放送されていましたね。
姉妹の通う中学校は、希望者のみ給食を月単位で注文できます。
しかし、生徒からは「まずい」と評判で、注文しているのは1クラスで数人です。
試食ではそんなに悪いとも思わなかったんですが、子供が言うには「試食の時はまし!いつもはすごくまずそう。みんな残している」と・・・。
自校式(学校内で給食を作っている)のと違って、給食業者からの宅配だと、どうしても衛生面や費用面、栄養面との兼ね合いで「味」まで手が回らないのかもしれません。
それでなくても、15分しかないのに給食を取りに行って返すのはちょっとかわいそうなので、結局お弁当を作り続けました。
4、教室で一人ずつ独唱(生徒が採点)
当時の音楽の先生、かなりエゲツない先生でした。
歌唱のテストでは、「赤とんぼ」を一人ずつ独唱し、それを生徒が採点するという・・・
けっこうキツイですよね!
その先生は顧問の部活を途中でやめた生徒に対して採点を低くしたり、他にも色々と評判が悪く、生徒が校長先生に「移動させてほしい」と懇願にいったそうです。
そしてそれがきいたのか?いなくなったんですが、次に来た先生も・・・
いや、これくらいでやめておきます。
自意識過剰で生意気なことを言ったりする中学生を教えるのは本当に大変だと思います。
でも、教える側はプロとして、教育者としての自覚は持って欲しい。
本当に信念を持って勉強や指導してくれる先生のこと、子供たちは信頼してる。
その逆に、自分の教科をちゃんと教えることができない人、言っていることが矛盾している人、押さえつけようとする人は反発されるよね・・・。
5、とにかく学校に予算がない
私たちが住んでいる自治体は予算があまりないようです。
顕微鏡で使うプレパラート、割れると次がない!ということで生徒たちは相当プレッシャーをかけられていました。
でも同じ公立学校でも自治体によって全然違うみたいです。
最近の猛暑でも、エアコンがついていない学校がたくさんあると報道されていました。
日本の学校に対する公的支出状況は、比較可能な34カ国中で最も低いそうです。
一方で、日本の子どもにかかる学校関連の費用の総額は、各国平均を上回っているそうで、教育費が比較的高いのに公的支出の割合は少ないそうです。
そりゃあ少子化になりますよね・・・。
6、無意味な校則
中学校ってなぜこんなにもどうでもいい校則が存在するんでしょう?
下着は白、靴下は白か黒か紺(のちに灰色も許可される)、スカートの丈は膝にかかるように、リップの色付きはダメ・・・などなど。
ジャージのファスナーを留める位置まで決めていたのは驚きでした(しかしそれは生徒発案?)。
今は温暖化で、5月でも30度を超える日が多くなってきました。
しかし、衣替えの時期も決まっていて、それ以前だと暑くてもジャケットを脱いで登下校してはいけないとか、その逆に寒くてもセーターやベストを着てはいけないとか決まっています。
汗だくで重い荷物を背負って学校へ行く子供達。
違う学校は廊下でジャージの上着は着てはいけないとか・・・その校則が存在している意味がわからない!
そしたら「将来サラリーマンになった時の練習」というようなことを先生が言ったようです。
これじゃ「クールビズ」も定着しないよ・・・。
7、義務ではない?・・・いや、加入が大前提のPTA
長女が中3で次女が中1ですが、兄弟姉妹がいる場合でも、その兄弟姉妹の数だけ毎年係りや委員をしないといけません。
中3の長女の方で、花壇委員をくじびきで引いてしまいました。
そしたら「くじ引いたママが悪いんじゃん」と長女が言うのでぶちキレました。
・・・とはいえ、花壇委員ていったい誰のため?
春と秋、何百もの苗を受け取りに行き、苗を植え、水をあげ、草むしりをして・・・
花がきれいなのはいいけど、強制されてやらなくてはいけないものなの?
しかも子供は全然ありがたがってない!
そしたら高校の書類の中にも「PTA加入は原則として全員にしてもらっています」と、どの委員をできるかのお伺いが入っていました。
・・・でも、「5、とにかく学校に予算がない」で書いたとおり日本は教育への支出が圧倒的に少ないので、PTAでベルマークを集めたりして必要な備品を購入したりしているんです。
もしPTAをやらなかったら、PTA支出の備品(たとえば卒業証書の筒や判子など)をもらえないかも?
いや、もしもらえたとしても、後ろめたい気がするのでは?
・・・と、結局やらざるを得ません。
いや、加入しないで突っぱねる方法もあるんですよね。「義務」でないのなら。
でも、自分だけでなく、子供が嫌な思いをしたら、と思うとそれもハードルが高いんです。
3月、4月は喜ばしい季節ではあるけど、役員決めのある母にとっては相当ストレスが溜まる季節です。
最後に、中学校を卒業した長女と、中学生全体に思うこと
長女はごく普通の生徒です。
運動や勉強で注目されたり、賞をもらったり、音楽祭でピアノを弾いたり指揮をしたりなど、目立つことはありませんでした。
少人数の気の合う友達とずっと過ごすタイプ。
でも、小柄で細い長女が皆と同じことをする、それだけでも皆より少しがんばらないといけないんです。
体重が35キロでも55キロでも、背負う荷物は同じ10キロ。
持久走や水泳の距離を短くしてくれるわけではない。
1つ1つは大したことないかもしれないけど、それが毎時毎時、ずっと続いてる。
それでも皆についていって、体力的にきつい時でも、友達関係がうまくいかなくなった時でも、休むことなく3年間通った。
決して好きではない勉強も、最後はがんばってやりきり、自分の目指した高校に合格できた。
他の人から見たら全く普通の生徒だけど、長女が毎日たくさん努力したことを知ってる。
だから、3年間よく頑張ったね!って心から思います。
そしたら卒業式で、子供たちから親に手紙をもらいました。
パパとママへ
すごくわがままでめんどくさい私をここまで育ててくれてありがとう。
中学の3年間は特に生意気で怠けててすごく困らせたと思うけど、塾に行かせてくれて、行きたかった高校に行かせてくれて本当にありがとう。
〜中略〜
入学してから今まで、3年はあっというまだったからたぶんあっというまに大人になっちゃうけど、中学の3年より成長のある3年にできるように頑張ります。
これからもよろしくね。
・・・うんうん。
中2くらいからかなり生意気な口をきいたり、ブラックな部分もでてきて、小学生の頃の雰囲気とはだいぶ変わった長女。
でも彼女なりにわかっているんだね。
ちなみに塾は、受験勉強を自力で頑張れる子もいると思いますが、長女は周りに流されるタイプなので、集団塾が結果的に合っていました。
最終的に合う塾に出会うまでに、個別・集団とも三ヶ所ずつ話を聞きにいきました。
そして同じく、中学校を卒業したたくさんの子供たちも、一人一人が頑張ったんだよね。
幼稚園や小学校から一緒だった子供達。
親も子も、特に親しいわけではないけど、10年も一緒の場所で過ごしているのだから、やっぱり感慨深いです。
卒業証書授与で知っている名前が呼ばれるたびに、あの子は低学年のころは問題児だったけど今はすっかり普通になったとか、あの子はピアノもうまいけど難関校にも合格したんだ、とか、あの子は幼稚園の頃から背は伸びたけど、ずーっととぼけた雰囲気を保ったままだったなとか・・・
そんなことを思っていたら、1時間近い卒業証書授与の時間も短く感じました。
この先はもう、こういう風に思うことはなくなるんだなぁ・・・。
そして卒業証書授与の時に、かなり多く不在の生徒がいました。
卒業式にも来ることがなかった、不登校の子供たち・・・。
色々な理由があると思うけど、不登校でも何の葛藤もなくマイペースに過ごせている子供・親はあまりいないと思うんです。
「学校に行かない」という状態を乗り越えるのも勇気がいる。
そして、「皆と違う選択」=「間違ってる」というわけではない。
だけど、敷かれたレールを歩きたくないなら、自分で切り開いていくしかない。
これから自分なりの居場所を皆見つけてほしいな・・・。
皆、本当に卒業おめでとう。